明けましておめでとうございます。はてなに移行して、はや一年余り。2011年は劇場鑑賞本数が163本。溝口の『愛怨峡』からアステアの『コンチネンタル』まで。
<2011年公開作品のベストテン>
対象作品 55本
1『ブンミおじさんの森』アピチャッポン・ウィーラセタクン
2『ソーシャル・ネットワーク』デヴィッド・フィンチャー
3『愛の勝利を ムッソリーニを愛した女』マルコ・ベロッキオ
4『タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密』スティーヴン・スピルバーグ
5『ファンタスティックMr.FOX』ウェス・アンダーソン
6『永遠の僕たち』ガス・ヴァン・サント
7『ツリー・オブ・ライフ』テレンス・マリック
8『東京公園』青山真治
9『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』マシューヴォーン
10『愛する人』ロドリゴ・ガルシア
アピチャッポンの映画は『ブンミおじさんの森』が初めて。過去作も含め、これから彼を観ていくと決めた。『ソーシャル・ネットワーク』が自分の中でフィンチャーの最高傑作。これを新作が超えるか、超えないか、毎回の基準になると思う。『愛の勝利を』は映画とか劇(場)を題材にしている。チャップリンに拍手する観客の姿に熱くなった。スピルバーグとウェスの2人は自分の好きな世界にどっぷりと浸かっている。どちらも児童文学だけど、実写で撮っていないね。マリックの影響を受けたというサントの新作は、彼のキャリアの中で上位。主演のヘンリー・ポッパーとミア・ワシコウスカがとにかく素晴らしい。久し振りの青山真治はだいぶ肩の力を抜いていた。こちらも主演の三浦春馬と榮倉奈々が好演。アメコミ映画と相性が悪いんだけど、『X−MEN』は色んな人に薦めていたと思う。『愛する人』はどうしても選びたかった。
ちなみに未見作品を挙げるときりがない。かなり盛り上がっていた香港アクションは全部見逃してしまったし。後は『ヒア アフター』・・・シャブロルなど・・日本映画は原田芳雄の遺作と新藤兼人、キノハウス周辺の映画かな。
<次点>
『アンストッパブル』トニー・スコット
『キッズ・オールライト』リサ・チョロデンコ
『ランゴ』ゴア・ヴァービンスキー
『ゴーストライター』ロマン・ポランスキー
『スクリーム4:ネクスト・ジェネレーション』ウェス・クレイヴン
『マネーボール』ベネット・ミラー
追記
『さすらいの女神たち』マチュー・アマルリック
<旧作ベストテン>
対象作品 108本(映画祭なども含む)
順不同
『人魚伝説』池田敏春
『鏡』アンドレイ・タルコフスキー
『エルミタージュ幻想』アレクサンドル・ソクーロフ
『ラスト・ダイビング』ジョアン・セザール・モンテイロ
『ヒックとドラゴン』ディーン・デュボア クリス・サンダース
『ウィ・キャント・ゴー・ホーム・アゲイン』ニコラス・レイ
『ロンゲスト・ヤード』ロバート・アルドリッチ
『E.T. 20周年アニバーサリー特別版』スティーヴン・スピルバーグ
『コンチネンタル』マーク・サンドリッチ
今年は映画館に通えない、通いたくない時期が続いて、辛かった。ただ夏・秋以降は映画を通じて知り合いができたり、映画祭に足を運んだり、何とか巻き返す。池田敏春の追悼上映になってしまった『人魚伝説』。今年の日本を予見した作品だと思う。『ヒックとドラゴン』は一昨年の作品で、同年の『トイ・ストーリー3』よりも好きだ。飛翔シーンに驚き、子供向けとは思えない、最後の落とし前に泣く。『E.T』にも号泣していた。どちらも少年に対して、周りの大人たちがえげつないなあ。大晦日に観た『コンチネンタル』のアステアの圧倒的なダンスまで、たくさん観れた。今年はどうなるのか、不安だ。
<レンタルベストテン>
対象作品 220本
順不同
『天才マックスの世界』ウェス・アンダーソン
『やりんこチエ いちじく診察台』広木隆一
『メリーに首ったけ』ピーター・ファレリー ボビー・ファレリー
『緋牡丹博徒 お竜参上』加藤泰
『ぼくの伯父さんの休暇』ジャック・タチ
『仁義なき戦い』深作欣二
『キミに逢えたら!』ピーター・ソレット
『サンドロット/僕らがいた夏』デヴィッド・ミッキー・エヴァンス
『ミッドナイトクロス』ブライアン・デ・パルマ
『喜劇 女は度胸』森崎東
今年は東映の映画が僕を慰めてくれた。深作欣二。中島貞夫、加藤泰の仕事はもちろん素晴らしいんだけど、やっぱり東映はまず役者だ。ピラニア軍団、健さん、鶴田浩二、トミー。彼らは死んでも何度でも、蘇る。不屈の役者たち!内輪ノリも最高だ。軍団結成前の若かりし頃の室田日出男、拓ボンとかを見つけた時は、いつもニヤニヤしてしまう。『仁義なき戦い』『緋牡丹博徒』傑作シリーズは、これからも何度も観ることになると思う。もちろん他の東映シリーズも。春はWアンダーソン(ウェス、ポール)、夏はファレリー兄弟、少しだけフォアマン。秋以降はクレイヴンにハマっている。
横浜駅西口の「ハリウッドビデオ」さんには、とてもお世話になった。なのに夏頃、突然閉店したのが本当に悔やまれる。レアな映画を漁るのは、バイト終わりの楽しみだったのに・・借りておくべき作品が山ほどあった。もう横浜周辺には良いビデオ屋はないと思う。どうするんだと。ハリウッドで借りた『やりんこチエ』はいつか再見したい。