今年の途中経過2

卒論が行き詰っているので、息抜きに。
下半期は怒涛の勢いで傑作・秀作を観る機会に恵まれたと思う。特に旧作は10本に絞れないなー。
この記事を読んだ方が、いつかレンタルの参考にでもして頂けたらと、新作だけ挙げておく。

ツリー・オブ・ライフテレンス・マリック
あまり評判が良くないだけに、擁護したい。主人公の母親が庭で舞うシーンがとても好きだったし、ラストはフェリーニ!出来ればリバイバル上映された『天国の日々』と合わせて。

キッズ・オールライトリサ・チョロデンコ
役者で観る映画。食卓を囲んだ時の俳優同士が楽しそう。併映で観た『ブルーバレンタイン』も悪くなかった。

ゴーストライターロマン・ポランスキー
最初の数カットで物語がきちんと見えてくるから凄い。港から孤島、森の邸宅、バー、フェリー。主人公のゴーストがぐるぐると各地を回って、謎を集めていくだけで、面白い。

『ランゴ』ゴア・ヴァービンスキー
傑作『ヒックとドラゴン』を彷彿とさせる空中アクションがとにかく素晴らしい。西部劇へのノスタルジー、オマージュで終わらなかった。CGだからこその躍動感。『猿の惑星:創世記』も過去シリーズに囚われずに、今持ちうる技術で作っていた。

『愛の勝利を ムッソリーニを愛した女』マルコ・べロッキオ
当時のニュース映画やプロパガンダ映画を観ているようだ。何度も出てくる映画館、演劇のイメージ。これは映画館で観るべきだよなと。

ブンミおじさんの森アピチャッポン・ウィーラセタクン
おいでおいでって、映画に導かれるような強烈な体験。あの洞窟のシーケンスに震えた。あの音はどこから聞こえるんだ?

モテキ大根仁
例年以上に邦画に興味を持てないが、賛否は抜きにして、これは今年押さえておくべき。「B'Z最高!」と1人カラオケをする麻生久美子が示さなければ、日本映画は黄金期のJポップをずっと引用できずにいた。もっと過去の遺産を現代に向けてサンプリングしていいのでは、とその模範解答が彼女に、『モテキ』にあった。

『サウダーヂ』富田克也
シネコン大作ではないインディーズ映画、都会じゃなく、崩壊寸前の田舎が持つ言葉の力。